2026/3/22

お知らせ

【開催報告】THE WELLBEING WEEK 2026 オンラインイベント「今こそ考えたいウェルビーイング 」〜ウェルビーイングは、どこまで社会に根づいたのか。そして、これから私たちは何を問い直すのか〜

イベント概要

日 時 2026年3月18日(水)20:00〜21:30
開催形式 オンライン(Zoom)
参加費 無料 参加者数:約70〜80名
主 催 公益財団法人日本ウェルビーイング財団
共 催 THE WELLBEING WEEK 2026

今年で10周年を迎えるTHE WELLBEING WEEK 2026のテーマは「May all beings be well and happy(人類と地球のウェルビーイングを目指して)」。本イベントはその共催企画として、言葉や実践として語られてきたウェルビーイングをあらためて問い直す場として開催されました。

ウェルビーイングという言葉が広がって10年。企業・教育・地域・医療など、さまざまな現場で実践が重ねられてきましたが、それは本当に私たちの社会に根づいてきたのでしょうか——。登壇者の皆様と、正解を示す場ではなく、ともに問い、ともに感じ、ともに未来を描く対話をいたしました。

YouTubeでアーカイブ動画を公開しておりますので、是非ご覧ください。
https://youtu.be/QhPoKDtDRow

登壇者

◆ モデレーター
前野 隆司 氏
武蔵野大学ウェルビーイング学部長、慶應義塾大学名誉教授。公益財団法人日本ウェルビーイング財団 理事。幸福学の第一人者として「幸せの四因子」理論を提唱し、企業・行政・教育機関で幅広く活動する。

◆ パネリスト
石川 善樹 氏
予防医学研究者、博士(医学)。公益財団法人Well-being for Planet Earth代表理事、一般財団法人雲孫財団 理事。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了。「人と地球が調和して生きるとは何か」をテーマに、8世代後の未来を見据えた長期構想に取り組む。著書に『むかしむかしあるところにウェルビーイングがありました』(KADOKAWA)など。

及川 美紀 氏
一般社団法人Toget-HER 代表理事、一般社団法人MASHINGUP 理事。公益財団法人日本ウェルビーイング財団 評議員。1991年にポーラ入社、2020年に代表取締役社長に就任(2024年末退任)。ポーラ社長在任中に社内に「幸せ研究所」を設立。現在はDEI推進・女性リーダー育成をテーマに活動。マツダ(株)社外取締役なども務める。

日本ウェルビーイング財団について

冒頭、当財団の淺井明紀子より財団のビジョンと活動についてご紹介しました。

当財団のビジョンは「人も社会も地球も、すべての生きとし生けるものがWellbeingである未来を創る」。ここで大切にしているのは「も」という助詞です。人も社会も地球もそれぞれを分断するのではなく、すべてが繋がっていることを意図しています。

当財団が目指すのは、課題の根っこを探究し、つながりから解決を生む「コミュニティ財団」。一つひとつの社会課題に対処するだけでなく、課題を生み出す構造そのものを変えていく社会変革(システミックチェンジ)を目指しています。

登壇者のウェルビーイング活動紹介

現在は日本のジェンダーギャップ解消のため、一般社団法人Toget-HERの代表理事として、ジェンダー平等や、女性リーダー増加に向けた取組み、女性同士のシスターフッド(連帯)を通じた活動を行っています。

◆ 石川 善樹 氏:日本版ワールドハピネスレポートの発表

石川氏は、国際幸福デー(3月20日)に合わせて公開した「日本版ワールドハピネスレポート2026」についてご紹介いただきました。日本版ワールドハピネスレポートは、ウェルビーイング学会が、国連のワールドハピネスレポートをベースに日本に特化した形で毎年発行するものです。

石川氏より、2006年から2025年にかけての日本のウェルビーイングに関する指標の推移が示され、特に2025年10〜12月期に、ウェルビーイング指標の大きな上昇が確認されたことから、ウェルビーイングは経済的要因だけでなく政治的・社会的要因とも相関があることが示されました。

▲ 出典:日本版ワールドハピネスレポート2026

対談のハイライト

◆ 「人生の自由度」の低下という深刻な課題

対談で特に注目を集めたのが、この20年間で日本の「人生の自由度」に関する国際順位が大きく下落しているということです。国連ワールドハピネスレポートでは、ウェルビーイングを左右する6つの世界共通要因(①経済的豊かさ、②健康寿命、③腐敗の少なさ、④近しい人との繋がり、⑤寛容さ、⑥人生の自由度)が示されています。日本はGDP・健康寿命ともに高い水準にある一方、「自分の意志で人生を選べる感覚(人生の自由度)」と「腐敗の少なさ(社会の公正さ)」がウェルビーイング低迷の主な要因であることが明らかになっています。

石川氏は「過去20年において、若い世代が、与えられた選択肢の中から選択する、という主体的でない人生の選択を数多く積み重ねる環境で育ってしまった。そのため、ウェルビーイングを取り戻すには一世代以上かかるかもしれない」と危機感を表明しました。前野氏も主体的な人生の選択の問題を指摘するとともに、集団主義から個人主義への移行がうまく行かず、集団主義の同調圧力と、個人主義の競争という構造的な課題を指摘しました。

◆ 「ウェルビーイングの海」を広げる

及川氏は「ウェルビーイングの海」というメタファーで、同じ志を持つ人が自然に出会うことで、繋がりが生まれると表現しました。ジェンダー平等もウェルビーイングも、「自分らしくあること」を求める同じ海で泳ぐ人たちが行き交い、ジェンダー平等とウェルビーイングは、「自分らしくあるための大切な基本要素」だと語りました。石川氏からは、オリンピックや選挙などの国民的イベントがウェルビーイングを高める背景として「逆境から立ち直るストーリーへの共感」の重要性が語られました。また前野氏は「幸せなマインドを作ることで、さまざまなことがポジティブに変わっていく」ことについて言及されました。

◆ 「ねばならない」から「したい(I will)」へ

及川氏は「〇〇せねばならない(must)」という言葉を「〇〇したい(I will )」に置き換えてみると、自分の本当の願望が浮かび上がり、日常の言葉遣いを変えることの重要性について示すされました。この「アイ・ウィル活動」は、主体的に生きるための第一歩であり、職場でも「やらされ感」から「やりたい」へのシフトを促す小さな習慣として推進されています。

◆ ウェルビーイングを育む教育・自己決定

及川氏は「自分で決めることができる子に育てたい」という子育て方針を紹介しながら、企業においても「指示・命令」ではなく「自分で考え、責任を持つ」文化の重要性を語りました。また、企業の資源(仲間・資金・信用)を主体的に活用することで、会社員でもスモールスタートでウェルビーイング活動ができると提言しました。

石川氏はある小学校教師の実践として、子どもたちのもめごとの際に「事情の迷路」(原因究明に終始すること)に入り込まず、「人として正しいか・素敵か」という軸を示した上で、子ども自身の自己決定を促すという方法を紹介しました。「子どもたちに生きる軸を伝えられる機会が多くあることが教育には大切」と語り、参加者の大きな共感を呼びました。

本日のキーメッセージ

近年の日本のように経済成長とウェルビーイングが必ずしも一致しない国では、経済的な豊かさを追うことに加え、「自分の意志で人生を選べている感覚」を高め、「不公平や不正がない社会」を築くことが、国民の幸福・ウェルビーイングに直結する。

(石川氏 日本版ワールドハピネスレポートより)

財団からのお知らせ:ウェルビーイング共創助成

当財団では、「システミックチェンジ志向 ウェルビーイング共創助成」プログラムの応募を受け付けています(応募締切:2026年3月31日)。

「実践(Do-tank)」と「知見化(Think-tank)」の両輪で社会の仕組みを変えることを目指し、課題探究・解決でアプローチするコミュニティの構築・強化に皆さまと共に挑戦します。

▶ 詳細・ご応募はこちら:https://japan-wellbeing-foundation.com/grant-application

おわりに

日本ウェルビーイング財団はこれからも多様な仲間とつながりながら、ウェルビーイングの輪を広げてまいります。

平日夜にもかかわらずご参加くださった皆様、そして素晴らしい対談をいただいた前野先生・及川氏・石川氏に、心より感謝申し上げます。

改めまして、YouTubeでアーカイブ動画を公開しておりますので、是非ご覧ください。
https://youtu.be/QhPoKDtDRow

Contact

お問い合わせ

本財団との協働やご支援に関することなど、お気軽にお問い合わせください。

Contact us

keyboard_arrow_right

公益財団法人日本ウェルビーイング財団

東京都千代田区丸の内3-3-1

©︎ 2025 日本ウェルビーイング財団2025

プライバシーポリシー